歯周病と全身疾患の関係性

歯周病とメタボリックシンドローム

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前回は歯周病と糖尿病の関係について解説しましたが、今回はその糖尿病と関連の深いメタボリックシンドロームと歯周病の関係についてです。

メタボリックシンドロームとは?

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皆さんは、メタボリックシンドロームについてどの程度知っているでしょうか。

一般的なイメージだと、「単に太っていてお腹が出ている人」というイメージが強いのではと思います。

実は、生活習慣病の一種であるメタボリックシンドロームには明確な基準があり、臍部の内臓脂肪面積100㎝2以上と明確に定義されています。

具体的には、腹囲径が男性で85cm以上、女性で90cm以上である人のうち、高血圧(収縮期血圧130mmHg以上または拡張期血圧85mmHg以上)、脂質異常症(HDLコレステロール値40㎎/dL未満)、高血糖(HbA1c 5.5%以上)のいずれか1つに該当する人はメタボリックシンドローム予備軍、2つ以上当てはまる人はメタボリックシンドロームが強く疑われる人、と定義されています。ちなみにHbA1cは血中の全ヘモグロビンのうち糖化ヘモグロビンの割合を指します。

メタボリックシンドロームのような生活習慣病は、ちょっとした食生活の変化やストレスでこれらの数値が容易に変動するので、1つしか当てはまっていないという人でも注意が必要です。

歯周病とメタボリックシンドロームの関係

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歯周病に罹患している人はメタボリックシンドロームを発症するリスクが高いという研究結果が発表されていることもあり、メタボリックシンドロームの予防には歯科からの治療も重要であるということが認識されつつあります。

歯周病は歯周病原菌を原因とする感染症ですが、歯周病の診断には専用の器具を用いた歯周ポケット検査で、歯周病の重症度を測る方法が多く用いられています。

歯周ポケットとは、歯周病によって歯と歯茎がくっついている部分が破壊されることによって生じる深い溝のことを指します。

健康な人の歯周ポケットは3mm~4mm以下ですが、歯周病の進行している人では、この歯周ポケットが6mmや10mmにもなったりします。

歯周ポケットを放置したままでいると、その部分に細菌や歯垢・歯石が入り込みやすくなりますので、口腔だけでなく全身に炎症が起こりやすくなります。

歯周病原菌が放出する毒素やTNF-αといった炎症性物質は、肝臓・脂肪組織のインスリン抵抗性を増加させて血糖値を上昇させるため、メタボリックシンドロームとなるリスクを上昇させると考えられています。

このように、歯周病を予防することは歯を守るだけでなく、メタボリックシンドロームやそこから派生する様々な病気を予防することにも繋がります。

お腹周りが気になる人は、ぜひ歯科医院で歯周病の検査を受けてみることをおすすめします。

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