口臭を気にせず快適!簡単ケアで口臭予防【口臭予防専門 アルファネット】
前回は、口腔の健康や歯周病と関連が深い全身疾患について簡単にご紹介しました。
今回は、更に詳しく歯周病と生活習慣病の一種である糖尿病との関係について解説します。
一見無関係なように思える歯周病と糖尿病にはどのような関係があるのでしょうか?
歯周病は気づきにくい!
皆さんの中には「歯茎が痛いな」、「歯が浮いた感じがして違和感があるな」といった症状を感じたことのある人は少なくないかと思います。
しかし、時間がたつと痛みや違和感が自然と収まってしまったので、歯科医院に行かずにやり過ごしたという人も多いのではないでしょうか。
もしかしたら、その症状は歯周病になりかけのサインかもしれません。
実は、口の中には虫歯菌をはじめとした多数の細菌が住み着いており、歯周病は歯周病原菌が原因で発症します。そのため、虫歯と同じように歯周病は歯磨きだけで治ることはなく、専門的な治療を行わない限り治ることはありません。一見治ったように見えても、それは歯周病原菌による症状が落ち着いているだけなのです。
歯周病と糖尿病の関係は?
糖尿病は血糖値とHbA1cの数値によって確定診断されます。
血糖値とHbA1cについて簡単に説明すると、血糖値は血液中のグルコース濃度のことで、食事を摂ったり、空腹になったりすると数値が変動します。
また、HbA1cは血液中のヘモグロビンのうち、グルコースと結合した糖化ヘモグロビンがどのぐらいの割合で存在しているのかを表した数値です。
歯周病と糖尿病の関係とは、歯周病とこの血糖値とHbA1cとの関係ということになります。
以前より、歯周病は糖尿病の合併症であると言われてきました。
しかし、最近の研究によって「歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する」、「歯周病が改善すると糖尿病も改善する」ということが明らかになっています。
歯周病原菌は口の中の毛細血管から体内に侵入し、毒素をまき散らして死滅します。この毒素は肝臓・脂肪組織からTNF-αと呼ばれる炎症性物質の生産を促進します。
このTNF-αは歯周病の増悪を引き起こし、歯を支えている歯槽骨と呼ばれる顎の骨を溶かす原因ともなります。
また、TNF-αはインスリンの働きを阻害するため、細胞のグルコースの取り込みを阻害することになります。その結果、身体は血糖値が高いままになってしまう高血糖状態となり、糖尿病が悪化します。
抗菌薬を用いて歯周病を治療すると体内に細菌が入り込みにくいため、TNF-αの産生が促進されることはありません。
したがって、血糖値やHbA1cの値は改善することとなり、糖尿病は改善することとなります。
まとめ
ここまで、歯周病と糖尿病の関係について詳しく説明してきました。
歯周病と糖尿病のかかわりについて意外な事実が明らかになったのではないかと思います。
歯周病を早期に治療することが、全身疾患のリスクを減らすことに繋がります。
したがって、少しでも口に異変を感じたら歯科医院で診察を受ける方がよいでしょう。