ロコモティブシンドロームという病気をきいたことがありますか?
ロコモティブシンドロームは英語でlocomotive(移動する)+syndrome(症候群)で、和名で言うと運動器症候群といいます。
俗に、ロコモと略して呼ばれることも多いです。
ロコモティブシンドロームとは?
ロコモはどのような状態のことかというと、運動器に障害をきたして将来要介護になる可能性が高い状態になることを言います。
運動器とは、わたしたちが立ったり歩いたりするときに使う筋肉、骨、関節などのことをさします。
高齢の方がなりやすく、予備群を含めると日本では約4,700万人もいらっしゃると言われています。
患者数が非常に多く、国民病とも言えますね。
ロコモティブシンドロームの症状
ロコモの症状についてご説明していきます。
ロコモの症状には段階があり、その段階を行き来しながら悪化していきます。
その段階を4段階でご説明します。
①筋力が衰える
筋力が下がることで疲れやすくなり、動くことを避けようとします。
そうすると動けなくなり、さらに筋力が下がる、という負のスパイラルに陥ります。
②バランスが取りづらくなる、関節が痛む
筋力低下によって、バランスが取りづらくなったり、関節が痛んだりします。
また、動けなくなることによる運動不足が進むと、関節の可動域も狭まります。
③歩きづらくなる
バランス能力が低下することで歩くことへの不安を生じ、歩きづらくなります。
また、関節の可動域が狭くなったことで歩幅も狭まり歩きづらくなるのです。
④1人では歩けなくなる
歩きづらくなり移動が困難になると、転倒などの恐れが強くなり、1人では立ち上がれなかったり歩けなかったりするようになります。
ロコモティブシンドロームになる原因
ロコモは、骨や関節、筋肉の疾患が原因で発症することもあります。
よく言われる3大原因病を挙げると、・骨粗鬆症・変形性関節症・変形性脊椎症があります。
これらの疾患はいずれも足腰のしびれや痛みをともなうので、動くことを避けてしまい、ロコモにつながります。
また、最初にロコモは高齢の方がなりやすいとご紹介しましたが、若い方も油断はできません。
運動不足による筋力低下は、高齢者だけに起こり得ることではありませんから、ロコモは誰もに可能性のある病です。
ですので、運動不足かもなあとお思いの方は、簡単な筋トレをしてみるとか、ちょっとウォーキングをはじめてみるとか、少し体を動かすようにしてみるといいですね。