歯周病と全身疾患の関係性

う蝕(虫歯)と感染性心内膜炎

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前回は、歯周病と心筋梗塞の関係についてご紹介しました。

今回は、歯周病よりも一般的なう蝕(虫歯)と感染性心内膜炎の関係について解説します。

感染性心内膜炎

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まず、皆さんは感染性心内膜炎という病気を聞いたことがあるでしょうか。

普段、健康に過ごされている方にはあまり馴染みのない病名かと思います。

簡単に説明すると、感染性心内膜炎とは、その名前の通り細菌が心臓に感染し病巣を作り、心機能が低下してしまう病気です。

詳しく説明すると、感染性心内膜炎とは体にできた傷などから細菌が血管内に侵入し、その細菌が血流に乗り、心臓の弁や心内膜に付着することで病巣が形成され、炎症が起こり、心臓の弁が破壊されてしまう感染症です。

感染性心内膜炎の直接的な原因は細菌ですが、心臓への感染を起こしやすくする要因として、心臓の異常・人工弁・人工透析・糖尿病などが挙げられます。

また、抗がん剤治療などを受けている人や高齢者など、免疫力が落ちている人も感染性心内膜炎のリスクはありますので注意が必要です。

う蝕(歯)と感染性心内膜炎の関係

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それでは、一体う蝕と感染性心内膜炎がどのように関係するのでしょうか。

一見、虫歯と心臓は無関係なようにも思えます。

皆さんは、江戸時代には虫歯で死んだ人がいるというような話を聞いたことはないでしょうか。

医療技術の発達した現代では考えられないことかもしれませんが、虫歯菌が引き金となって死に至るケースが、この感染性心内膜炎なのです。

虫歯はミュータンス菌を主とするう蝕病原菌が産生する酸により、歯の表面のエナメル質が溶かされてしまう感染性疾患です。

虫歯を放置すると、エナメル質だけではなくその下の象牙質にまで進行し、最終的には歯髄と呼ばれる神経に到達します。

この歯髄は毛細血管と神経で構成されており、歯が生きていられるように栄養を供給しています。

この歯髄が壊死するレベルにまで細菌病巣が形成されると、細菌が血管を介して全身に循環します。

この細菌が血液に入り込んだ状態を菌血症といいますが、健康な人であれば免疫によって血液中の細菌は死滅します。

しかし、免疫力が弱っている人ではこの細菌を死滅させることができず、心臓に存在する弁や心内膜に付着・増殖し、心機能を障害します。

その結果、血栓などによる心筋梗塞や弁損傷による心不全を引き起こします。

このように、虫歯を放置することは重大な病気を引き起こす可能性があります。

虫歯だからと甘く見ず、虫歯かなと思ったらすぐに歯科医院で治療を受けることをおすすめします。
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