歯周病と全身疾患の関係性

歯周病と動脈硬化

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前回は、歯周病とメタボリックシンドロームの関係についてご紹介しました。

今回は、メタボリックシンドロームと関係の深い動脈硬化と歯周病の関係について解説していきます。

「メタボリックシンドロームと動脈硬化ならなんとなくわかるけど、歯周病がどう関係しているの?」と思う方は必見です。

動脈硬化とは?

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皆さんは動脈硬化についてどの程度知っているでしょうか。

動脈硬化と聞くと、なんとなく動脈が硬くなっている状態を想像する方が多いのではないかと思います。

そして、「自分はまだ年寄りではないから大した問題ないな」と楽観的に考えている方が大半ではないでしょうか。

実は動脈硬化は若年者でも徐々に進行していく恐ろしい病気なのです。

簡単に説明すると、動脈硬化は血管の老化によって起こり、血管の柔軟性・修復能力が徐々に失われていきます。

また、血管内壁にお粥状の沈着物や血栓ができて血管が狭窄すると、血流が悪くなるだけでなく、沈着物が血栓となって心筋梗塞や脳梗塞を起こすリスクが出てきます。

代謝能力が落ちて血管の柔軟性や修復能力に乏しい高齢者ほど、動脈硬化のリスクは高いことは間違いありません。

しかし、上でも触れたように30歳前後の若年者でも動脈硬化の兆候が見られることが多くあるのです。

歯周病と動脈硬化の関係

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それでは、歯周病は一体、動脈硬化とどのように関わっているのでしょうか。

歯周病は歯周病原菌による感染性疾患です。

歯周病原菌の一種であるPrevotella intermedia(Pi菌)が脂質異常症、心房細動、アテローム性動脈硬化にかかわっていることが明らかとなっています。

例えば、歯周病の患者さんがグラグラの歯の抜歯を行うと、歯が埋まっていた場所には当然穴が開きます。

その穴には歯髄と呼ばれる歯の神経や歯に栄養を送る血管が多数張り巡らされており、そこから歯周病原菌(Pi菌)が入り込み、血流に乗って全身に循環します。

そして、細菌が血液に混じって全身をまわると、菌血症という状態になります。

通常、菌血症の段階では特に目に見えた異変が起きるということはめったにありませんが、これが動脈硬化が目に見えず徐々に進行する原因ともなります。

Pi菌は病原菌であるため、体内に入るとPi菌を排除しようと体の免疫系が活性化され、Pi菌に対する抗体(抗Pi抗体)が産生されます。

抗Pi抗体と同様に、マクロファージや白血球といった免疫系の細胞もPi菌を退治しようとします。

その過程で血管にお粥状の沈着物が血管に形成され、血管が狭窄し動脈硬化を引き起こします。

このように、歯周病の放置は動脈硬化の発生につながり、動脈硬化は心筋梗塞などの原因にもなります。

少しでも動脈硬化のリスクを減らそうと考える方はぜひ歯周病治療の専門家のもとで治療を行うことをおすすめします。

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