歯周病と全身疾患の関係性

歯周病と心筋梗塞

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前回は歯周病と動脈硬化の関係についてご紹介しました。

今回は動脈硬化と関係の深い心筋梗塞と歯周病の関係について解説します。

心筋梗塞とは?

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まず、心筋梗塞について簡単にご紹介します。

皆さんは心筋梗塞についてどの程度ご存知でしょうか?

心筋梗塞とは動脈硬化により、血管に血栓やこぶができることによって血管が狭窄し、心臓に十分な血液を供給することができなくなり、心臓を動かす筋肉である心筋が壊死してしまう病気です。

心筋は右心房・右心室・左心房・左心室に分かれており、それぞれが冠状動脈と呼ばれる細い血管によって栄養され、活動しています。

この血管が血栓などによって詰まってしまうと、それ以降の心筋に十分な栄養や酸素が供給されず、心筋の細胞が壊死してしまいます。

通常の筋肉であれば、一つの血管が詰まったとしても、他の血管によって筋肉に栄養や酸素が供給されるので、壊死することはありません。

しかし、心筋は冠状動脈のみによって栄養されるため、一つ詰まってしまうだけでそれ以降の筋肉が壊死してしまうのです。

そして、壊死した筋肉は二度ともとの状態に戻ることはありません。

したがって、一度心筋梗塞になってしまうと、心機能が低下してしまうことになります。

これが心筋梗塞と呼ばれる病気になります。

歯周病と心筋梗塞の関係



それでは、歯周病は一体、心筋梗塞とどのように関わっているのでしょうか。

歯周病は前回も解説したとおり、歯周病原菌による感染症です。

歯周病はレッドコンプレックスと呼ばれる細菌が強く関わっています。

レッドコンプレックスとはPorphyromonas gigivalis, Tannerella forsythia, Treponema denticolaと呼ばれる3つの細菌のことを指します。

動脈硬化は以前は不規則な食生活やストレスなどによる生活習慣病と考えられていましたが、最近になってそれらの細菌による感染症が原因であることがわかってきました。

これらの細菌によって、血管内にお粥状のこぶができて動脈硬化が促進されると、血管が狭窄し、血流が低下します。

さらに、このお粥状のこぶが剥がれ落ちることによって大小の血栓となり、心筋を栄養する細い冠状動脈にも詰まり、心筋梗塞を引き起こします。

したがって、歯周病は動脈硬化を誘引し、さらに心筋梗塞を誘発することになります。

心筋梗塞は一度なってしまうと、心機能が低下し、QOL(生活の質)も著しく低下する恐ろしい病気です。

歯周病を治療することは、心筋梗塞の発生リスク減らすことに繋がります。

生活習慣や食生活が乱れている方は、ぜひ歯科医院で歯周病の治療を行い、心筋梗塞のリスクを下げることをおすすめします。

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